2022/10/24 16:52
まず、ご報告が1つあります。
こちらのドッカーズのスラックス。
せっかく購入があったにも関わらず、
キャンセルされてしまいましたので
再出品いたしました。
データで見る限り、かなり注目されていた商品なので、
「先行かれたかー!」
と思ったお客様も多数いらっしゃると思います。
また購入できるチャンスが回ってきましたので、
ぜひ狙ってみてください。
なお、キャンセルされた方ですが、
あちらの身勝手な理由な上、
約2週間泳がされましたので、
2度と当店でお買い物できないように
措置をいたしました。
皆々様には、今後も
快適にお買い物していただきたいと思っています。
その為の環境づくりに邁進していく所存ですので、
改めてよろしくお願いします。
さて、硬い話は終わり!
タイトルのお話です。
「舞台演劇って難しいですね」という事なのですが。
日曜日に、知り合いが主宰する劇団の
旗揚げ公演にいってきました。
やや批判めいた表現が入るかと思いますので、
劇団名、個人名等は割愛で。
結論から言うと、すごく面白かったです。
物語自体も、
取り扱ったテーマも
すごく良かったです。
演技面でも
若い役者さんが多かったのですが
皆さんとても芝居が良くて、
楽しませていただきました。
ただ、心に何か刺さったり、
感情移入できた部分が一切ありませんでした。
何故なんだろうか。
帰宅してから、ゆっくりと考えてみました。
あの時感じた違和感の正体は何なのかを。
まずたどり着いた違和感が、
脚本に隠された
致命的な欠陥でした。
何名かの登場人物がいて、
その中に「主人公」「ヒロイン」がいて、
その2人を中心に話が進んでいく、
という、何の変哲もない物語だったのですが、
よくよく考えるとこの2人、
「クズ」だったんですよ。
まあ、その舞台を知らない方からすれば
知る由もない事なのですが。
2人の人格を示す手法が
他の登場人物のセリフに頼ったものが多かったんです。
他の登場人物が、悦に入るかの如く
思い出話をダラダラと語るシーンが、
過剰なほど多くて、
個人的に正直辟易としていたのですが。
この「ダラダラ」の中でしか、
主人公とヒロインを好きになれる要素がなかったんです。
当の主人公とヒロインはと言うと、
作中では身勝手ばかりで、
観客側にストレスを与える行動ばかり。
まあ、そうでないと舞台は面白くないのですが笑。
だから演劇は難しいんですよね。
兎角、先述の「ダラダラ」で引き込まれなかった
私のような観客は、
最後まで置いて行かれちゃったどころか
「あの主人公とヒロイン、嫌い!」
「幸せにならないで欲しいな」
と思ってしまった訳です。
もう少し、主人公とヒロインの
優しさや人間味、人間力を、
「目に見える形」で示してくれていれば
もっといい作品になったと思うんです。
もう一つの違和感が「関西弁」です。
特定の登場人物が関西弁で台詞を言っていたのですが、
大阪、兵庫、京都、奈良など、
同じ関西でも、イントネーションや
そもそも通じる言葉が
微妙に違ったりするんですよね。
私自身も過去に、全編通して
関西弁を使う役を演じた経験があるのですが、
他の出演者と「どの地域の言葉にするか」を
かなり時間をかけて話し合って、
しっかり会話が通じるように慎重な調整を重ねました。
先の舞台では、それが全く見えないどころか、
時折標準語が見え隠れしてしまう始末。
(ヒロイン役の方は「意図的に」そこを使い分けていて、
「ヤバ!恐ろしいほどの演技力!」と思いましたが。)
まあ、脚本・演出を手掛けたのが
そもそも関西出身ではない方なので、
この失態に気がつかないのも無理はないですが。
「関西弁の口語でその言い回しは不自然!」
と感じる箇所が多々ありました。
厳しい言い方をすれば
「プロの演出家」なら、このミスは絶対しません。
関西圏外の方からすれば、
確かに違和感は感じないとは思うのですが、
大阪出身の私からすれば、
心が離れる大きな要因になってしまうんです。
最後の違和感が「衣装」です。
これは、私が「古着屋だから」という事ではありません。
「日本一私服がダサい」がウリの私が、
他人様のファッションに口を出せるわけがありません笑。
ここで言う衣装の違和感は
「性質の不一致」「照明映え」
の2点です。
まずは「性質の不一致」。
これは、TPOが合っていなかったり
それぞれの登場人物の
性格や辿ってきた人生を、
感じられないチョイスだった、
ということです。
例えば、
「久々に参加する同窓会」に
無地のTシャツとジーパンでは
行かないですよね。
「都会でボロボロになって帰ってきた人間」が、
白シャツにマーチンは身につけないですよね。
まあ、そういうシンプルなセンスです。
それでいて作中、
ファッションをいじる描写があったんです。
「昔はダサかったのに、今日はお洒落だねー」
みたいな。
先に謝ります。すいません。
完全に私の主観で
「そんなにお洒落かな?」
と思ってしまいました。
これは、うちで買って下さった服で、
お洒落なコーディネートをしてくれている、
お客様方のSNSを見続けている私が、
変に目が肥えてしまっているだけだと思います。
「もー、みんなお洒落やからー、
みんなのせいやでー」
ってことにしてください笑
もう一つ、「照明映え」の話。
明確なセオリーはないのですが、
当日の劇場の雰囲気からして、
スモーキー系、ダスティ系は
ちょっときついなと感じました。
衣装が照明の光を吸ってしまって、
役者さんが目立っていなかったです。
あと、これも私の主観ですが。
ヒロイン役の方、
ブラ透けてました…
その方、私の友人でもあるのですが、
「見ちゃいけない!
友達のブラ、見ちゃいけない!」
思えば思うほど気になってしまう。
「カリギュラ効果」ってやつですね。
ガン見してしまいましたよ…
「結構デカいんだな」とか
不埒なことも考えてしまいました。
あれも衣装のせいです!ええそうです!
「違和感」は上記三点でした。
他にも
「丁寧にフリを効かせすぎて、
中盤でストーリーが全部読めてしまった」
「物語の核は2人なのに、他の登場人物が
役目を終える瞬間がなかった」
「セリフの間をうまく活用できていなかった」
「上演時間が長すぎた」
などなど、満足できない要因は多数あるのですが、
これは大した問題ではないと思うんです。
但し、主宰が「20代でまだまだ可能性がる」ならです。
今回の主宰は30代で
キャリアも私より先輩。
さらに「この劇団を長く続けたい」
との発言もしていたので、
上4点の問題点も、改善すべきだと
思っています。
と、私自身もダラダラと書いてしまいましたが、
演劇の事になると、多分厳しくなり過ぎるんですよ。
それは私が「才能に恵まれない演劇人」だったから。
感性や発想で勝負できる力がなかった私は、
徹底的に勉強して、
独自の方程式と理論を生み出してしまったんです。
演劇で起こりうる事象は、
概ね自分の言葉で説明できます。
だから、感性や発想で勝負している
他の演劇人に対する「嫉妬」
みたいなものも混じっているんだと
自己分析しています。
まあ、いろいろ言いましたが
「響けばいいな」
ぐらいに思っています。
そして最後に、
違和感以外で、私が感情移入できなかった理由。
これは劇団側には何の非もない、
個人的な理由です。
件の舞台は、爽やかな小劇団で生きる
役者たちの物語だったのですが、
おそらく、私自身の役者人生が
「普通」ではなかったから。
病気、逮捕、借金、
様々な他劇団との確執や、
劇団内での派閥争い、
金銭的なトラブル、
裏社会との付き合い、
そして引退のきっかけになった...
ここまでにしておきます。
私の役者人生は「爽やか」とは
程遠かったんです。
まあ、長い期間、
それも「プロ」としてやってきたのですから
当然ですかね。
だから、あの舞台の劇団のような
「年齢的な理由で」
「家業を継がなければ」
程度のトラブルも
私に言わせれば「爽やか過ぎる」んです。
眩しく映ったんです。
先も言ったように、
主宰は私よりも先輩で年上。
色んなもの目にして耳にして、
ここまで来たはずなのに、
それなのに、あんなに
「キラキラと眩しい役者たち」
を描けたことは、
すごく素敵な事だと思うんです。
彼自身が、私にとっては
直視できないぐらいに眩しいんです。
私はね、
もう演劇の世界では
立派な「老害」です。
もう2度と、
眩しい演劇の世界には戻れません。
関わるつもりもありません。
あの舞台が刺さらなかった私は
もう演劇に携わる資格はありません。
はっきりわからせてくれました。
ありがとう。
老害は去ります。
公演に関わったスタッフ、キャストの皆様。
お疲れ様でした。
美味い酒、呑んでください。
