2022/12/07 14:29

こんにちは。

最近は真冬商材をゴリゴリと増やしてます。




ダウン、ニットセーター、フリース、マフラー等等、
今お買い時な商品を安めに揃えています。

最近は新たな仕入れのルートも増えてきて、
より皆様に楽しんでいただける古着屋さんに
一歩近付いたんじゃないかと思います。

「こんな商品を揃えて欲しいわい!」
という意見があれば、
どしどしご連絡ください!


さて、劇団時代のお話をします。

先日、私のiPhoneのストレージがいっぱいになりまして。
ほぼ毎日古着を撮影して出品しているわけですから
画像データがかなり圧迫していたようで、
画像を整理することにしたんです。

長らくノータッチだったものですから
フォルダも放ったらかしになっていて、
その中に「毒客」というフォルダがあったんです。

劇団時代に作ったものでした笑。
問題を起こした劇団の客のSNSのスクショが
何枚か入っていて、
「こんなことしてたなあ」と
色々思い出した話があるんです。


まず、「劇団」と一口に言っても色々と種類があって、
大きく二つに分けると
「芸術系」と「商業系」に分かれます。

「芸術系」は、劇団のやりたいことを
追求する劇団で、
観るお客さんを割と選んだりします。

一方「商業系」はその名の通り
利益のみを追求する劇団で、
大衆受けする作品ばかりを作る劇団です。

まあ、賞を取ったり
いわゆる「売れっ子」の役者を輩出するのは
商業系がほとんどなのですが、
我々の劇団は一貫して芸術系でした。

だから、我々が演劇賞を取った時は
少し業界がざわざわしたんです笑。

で、「芸術系は観るお客さんを割と選んだり…」
と言いましたが、我々も例外ではなく
出禁やブラックリスト的なものも作っていました。
それが先の画像フォルダです。

いくら金を落としてくれる人でも、
我々の劇団の客として相応しくなければ、
「客」とは呼びませんでした。

例えばこの画像
(アカウント名は伏せています)


これは、公式LINEを管理していた団員からの密告です。
アーティストや芸能人の公式LINEだと、
こういうファンは結構いるんですかね。

ただ、我々の場合は一発アウトです笑。
ブロックかつ劇場出禁です。

「やあ」じゃねえよ距離弁えろ雑魚!
って感じですね。

今になって思えば「厳しすぎるなあ」
とは思うのですが笑

芸術系劇団が毒客を遠ざけるのは、
邪推で名前を出されたり
客を勘違いさせない為だったりするのですが、
我々が特に厳しく取り締まっていたのは
ある経験からでした。

事件を知る古参の団員は
特に敏感になっていて
この程度でも毒客認定でした。

そのある経験というのが、
女子団員がストーカー被害に
あったことです。

その毒客の画像も残っていました。
こちらです。

ツイッターのアカウントをスクショしたものです。

「Real Yellow Unit」というのは
我々の劇団名です。

件の団員が他の女子団員と
遊びに行ったことを報告した、
何の変哲もないツイートだったのですが

リツイートした挙句
「嫁。」というツイートをしています。
これだけ見ると
ただのファンという感じなのですが
(ちょっと痛いファンですけど)、
何を隠そうこのアカウントの主が
立派なストーカーだったのです。

私は役者をやっていた当時、
SNSを一切やっていなかったので
団員からの報告でしか聞いていないのですが、
以前からこの主から度々DMが来ていたんだそうです。

「〇〇ちゃんの写真をもっとアップして欲しい」
「YouTubeの動画にも〇〇ちゃんをもっと出して欲しい」
などが度々来ていたようで、

一応件の団員にも「知り合いの方?」と
聞いてみたのですが、
全く心当たりがないとの事だったので、
警戒するとともに
その子をSNSやネット媒体に一切参加させないようにしていました。

まだ「危険人物」だと判断するには
材料が足りなくて、
二の足を踏むような対応しかできなかったんです。


これが失敗でした。


実は件の団員は、当時大学生で
サークル活動もしており
そこでもSNSを開設していたのですが、

名前で検索したのか、
そのサークルを特定されてしまったんです。

そして、当然通っている大学も特定され、
「行っちゃおうかな」的なことを
ツイートしていたんだそうです。

流石に危険を感じて
私は個人的に警察関係者の知り合いに
「どうにかできないか」と聞いたのですが、
当時はまだSNSの取り締まりの制度が整っていなかったのと
ストーカーというのは「事が起こってから」しか動けないとのことで、
相談するだけ無駄という事を言われました。

警察が頼れないのであればと、
「男子団員で大学前を見張ろう」という案で固まっていたのですが
件の団員が「そこまでしなくても大丈夫」
と言うのでそれも頓挫。

結局
「大学の近くでは1人で歩かない」
「なにかあったら、すぐ連絡する」
という決まりを作って
様子を見ることにしました。

たしか、その辺りのタイミングで
「あまり媒体に出てないと、他のお客さんに心配させるかも」
ということで、
劇団のツイッターアカウントを使って
一言発信をさせたんだと思います。

そのツイートが先の画像であり
「嫁。事件」に繋がる訳です。

うちの可愛い団員を
勝手に娶るな笑

その後何日か様子を見ていたのち
件の団員から、劇団のグループラインに
「接触されました」という連絡が来ました。


一気に緊張が走ります。


その日の夜に件の団員に電話をかけ、
詳細を聞きました。

知らないおじさんに声をかけられたとのことで
さすがに「嫁。の男です」と直接は言ってこなかったそうですが
言葉の端端から「嫁。の男だ!」と確信したそうです。

SNSやYouTubeに件の団員が顔を出さないことに
かなり苦言を呈していたとのことでした。

さらに「Yellowの団長の髙本は
良いウワサを聞かないから、離れた方がいい」
などと吹き込まれたそうです。
それを聞いて「俺の知り合いか?」
とも思ったのですが、のちに他人である事がわかります。
じゃあお前に俺の何がわかるんだよ!笑

「何も怖い事されなかった?」と聞くと
話しかけられただけで
体は1ミリも触られていないとのことで、
一番心配していた事は起こらなかったようで、
そこだけは安心しました。

さらに、劇団の公演まで1ヶ月を切った時期だったのですが
「もうチケットを予約した」とのことでした。
件の団員も出演する舞台だったので、まあ当然ですよね。
「嫁。」が出るんですからね。

私は「この子を世に出してしまったのは俺だ」
という責任感を感じていました。
この子がうちの劇団に入らなければ、
こんな目に合わなくても済んだのに、と。

劇場の中は治外法権。
劇団側のルールに従ってもらう。
だから、暴力も辞さないつもりで
いつも舞台に臨んでいました。

これは、芸人時代のライブ中の暴力事件が
私に教えた「舞台に立つ人間の腹の括り方」でした。

公演当日、本番直前。私は
「劇場で「嫁。」を見かけたら◯す!」と息巻いていたのですが、
団員たちに「まずは芝居に集中しろ」説得されて落ち着きました。

件の劇団員が。舞台袖から客席に指をさして
「あのおじさんです!」と言いました。
何と、最前列に座っていました。

ええ根性しとんなあああ!!!!!
クソジジイがよおおおおお!!!!!!

私はブチ切れ寸前でしたが
そのおじさんの見た目が、
ほっそりとして
かなり見た目に気を使った
清潔感のある人物であることに
大きく驚きました。

勝手に「ビチャビチャの小太り」
というイメージを持っていたもので笑。
偏見はダメですね。

とにかく
「あの綺麗なイケオジが「嫁。」か」
と、強い衝撃を受けたんです。


なんとか芝居をこなし、終演後
「グリーティング」という文化があって
劇場の出口でお客さんをお見送りして、
知り合いがいれば少しお話をしたり、
というものなのですが

私はグリーティングに参加せず、
真っ直ぐ「嫁。」のもとへ行きました。
何かを話しかけることもなく、
ただただ「嫁。」の前で座り込んで
じっと見つめていました。

アンケートを書いていた「嫁。」は
かなり戸惑っていました。
「髙本さんじゃないですか」
「僕に何か用ですか?」
「有名人に見つめられると照れますねえ」
私は一言も発しません。
ただただ「嫁。」を見つめているだけです。

客席もざわついていました。
思惑通りです。
「嫁。」の居心地が悪くさせたかったんです。

やがて「嫁。」は
「アンケートは受付に提出でいいんですか」
と言ったので、
「私が直接受け取ります」と返し
アンケートを受け取って
「さあ、行きましょうか」と
立ち上がった「嫁。」の肩を組んで
出口に向かいました。
件の団員に接触させない為です。

体に触れて気づきました。
冷静な口調で余裕を見せていた「嫁。」の体は、
小刻みに震えていたんです。

劇場の外に出て、別れ際に
私は耳元で脅迫じみた言葉を囁きました。
「嫁。」は「髙本さんはおっかないなあ」と
言葉では余裕を見せていましたが、
引きつった笑顔で、手はブルブルと震えていました。

それ以来、「嫁。」のアカウントは動かなくなり、
劇場やイベントにも顔を出さないようになりました。

劇団が解散した後、
件の団員は「あちら側」についたので
もう私とは二度と会うことはないのですが、
怯えることもなく元気に過ごしていればいいなと思っています。

この一件があって以降、
劇団に近づきすぎる人間や
まるで身内のように絡んでくる人間を
過敏に警戒するようになりました。

これが正しかったのかは分かりません。

ただ、芸能人やミュージシャンのアカウントに
距離が近すぎるコメントをしていたり
ファンの分際で知ったような事を言っている人間を見ると
未だに嫌悪感を感じます。

悪気はないとは思うのですが
そういう奴
まじで、キモいです。




それにしても、あの「嫁。」
今にして思う事があるんです。


「一発ぐらい思いっきりシバいとけばよかった!」
てね。